アイスランド電力会社、ビットコインマイニング事業者への電力供給を制限する方針

アイスランドの電力企業Landsvirkjunが、ビットコインのマイナーを初め、アルミニウム製錬所やデータセンターなどの電力消費が激しい一部の事業者に対して電力の供給を制限すると発表しました。

ブルームバーグの報道によれば、現在アイスランドでは発電所の故障やダムの水位低下などが影響して電力不足の陥っているようだ。また、外部からの電力調達も遅れており、自国内で粛清するしか手段を取っている。

同国は地域的に火山が多く、地熱資源が多いことが特徴である。そのため、電力構成の約3割を地熱発電で賄っている。また、地熱エネルギーはCO2を排出しないことから再生可能エネルギーに分類されるため、これらの発電源を利用してビットコインのマイニングを行う事業者も存在する程だ。

 

また残りの7割を占める電力は水力発電となっているため、実質100%再エネの電気を調達、供給することが可能ということになる。そのため、多くのマイナーにとって、新たなマイニング事業を行う地域として注目を集めていたが、Landsvirkjunは12月7日からマイニング事業者への電力供給を制限するという。(供給制限の期限は未定)

同国では一時、マイニングの電力消費量が、一般家庭全体の消費電力を上回る100MW(メガワット)も消費しており、
多くのマイナーが事業を行っていたことが伺える。(アイスランド約360,000人の使用電力を超える)
アイスランドは再エネ電源が豊富なだけではなく、下記の点においてもマイニングに適している。

 

  • 気温が一年間通して低く、自然にハードウェアの冷却が可能
  • 電気代が安価、また気温も低いため電気をあまり使わない

 

中国を初め、多くの国で仮想通貨マイニングの制限がかけられているが、その背景には世界的な電力需給逼迫の影響も受けていると思われる。必要以上に化石燃料を締め出してしまったことで、再エネだけでは多くの需要を下支えすることが難しく、LNGの備蓄を行う国家が多く存在するため、流通量が不足している状態だ。

特にこれから北半球の国々では冬を迎えるため、電力需要は上がり電気代が高騰することになるだろう。

マイナーにとって電気代の高騰はマイニング事業の採算を合わせる上でも重要な要素であるため、安定的な事業運営を行う上でエルサルバドルのような新興国に流れることになるのだろうか。

 

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