EU議会が、PoW型暗号通貨を禁止する条項を規制案から削除
EU(欧州連合)はPoW(プルーフオブワーク)のコンセンサスアルゴリズムで合意形成を取っている暗号通貨の利用を禁止する条項を、規制案から削除したとして、経済通貨委員会のStefan Berger氏が自身のTwitterで発表した。
経緯
事の発端は今年の2月末にEU議会に提出された暗号通貨規制草案「MiCA」にPoW型のトークンの使用を禁止する内容が提案されたことから始まっていたが、今月3日に該当部分が一部削除されていることが判明した。
The Blockの報道によると、今回削除された草案の箇所は以下の文章が盛り込まれていた。
2025年1月1日以降、欧州連合内で発行、提供、取引を認められる仮想通貨は、環境的に持続不可能なコンセンサスメカニズムに基づかないものとする。コンセンサスメカニズムは、最低限の環境持続可能性基準に準拠するものとする。
EU議会の法案はまだ成立されていないようなので、途中で頓挫する可能性もあり得るが、ひとまず延期投票という流に落ち着いたことで、当面は問題なく利用できるのではないかと思われている。
ドイツの暗号通貨メディアBIG-ECHOが先月出したレポートによれば、これまでは2025年1月1日以降PoWトークンを使用することを違法行為とするとした、厳しい規制案が出されていた。これはEU全体で排出するGHG(温室効果ガス)の排出量を0にする目標に対して、マイニング時に排出するGHGの排出が目標の達成を妨げるとして、ビットコインを中心としたトークンの使用を禁止するというものだ。
今回のロシアのウクライナ侵攻の事情を加味して規制を引き下げる形になった可能性は考えられるが、正確な理由は今のところ不明である。
今後の流れ
ECON(欧州議会経済通貨委員会)の代表を務めるStefan Berger氏は、今後の法案の賛否を決める投票スケジュールについて2〜4週間後の3月14日から4月上旬頃になるのではないかと発言している。