北京五輪でデジタル人民元の利用額が判明、取引額は1日あたり30万ドル以上!
現在行われている北京冬季オリンピックで使われているデジタル人民元の取引量が1日あたり30万ドル(約3,400万円)を超えていることがロイターの報道により判明位した。
中国人民銀行のデジタル通貨研究所の穆長春(ムー・チャンチュン)所長が米シンクタンク大西洋評議会で語った内容によれば、1日あたり200万元(約3,400万円)以上がデジタル人民元で使われているという。
実際の詳しい取引金額と、利用ユーザーのシェア率など細かい数字はまだ出ていないようだが、前回ウォールストリートジャーナルの記者がVISAとの取引量を上回ったという報道から、少し具体的な数字が見える化されてきた。
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ムー氏は「すべての外国人ユーザーがハードウェアウォレットを使用しているようだ」と述べており、
海外ユーザーはe-CNYペイメントカード、国内ユーザーはアプリ決済というように棲み分けが完全に出来上がっていることがわかった。(大会会場にATMが設置されており、海外から来た人は自国通貨をデジタル人民元に両替出来る)
中国は北京オリンピックを経て正式にデジタル人民元を正式発行する計画を進めており、主要国の中ではCBDC (中央銀行デジタル通貨)の取り組みに対する進捗が一番早い国である。
G7は昨年の10月にCBDCの共通原則をまとめ、連邦準備理事会(FRB)も22年1月にCBDCに関する初の報告書を公表するなど、各国でCBDCの発行に向けた動きが加速しており、日本も2022年4月から実証実験の第二フェーズに移行する準備が進められている。
しかし、日銀の黒田総裁が2026年までに導入の可否を判断すると発言していることから、国の金融インフラが整っており、国民の大多数が銀行口座を持っているような国では、中々思うように改革を行うことが出来ないことがスピード感の失速に繋がっている。