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ノルウェーで持続可能な暗号通貨事業の創出、マイニングの廃熱を有効活用

北欧で最大のマイニング事業地として名高いノルウェーでは、自国の豊富な水資源を活用した水力発電を用いた、持続可能なマイニング事業が主流になりつつあるという。(ノルウェーの電力発電源の99%は水力発電)

しかし、ノルウェー最大のデータセンターでビットコインのマイニング事業者でもあるクリプトヴォルトにおいて、膨大な水力発電によるエネルギー資源は、マイニングに必要な全てのエネルギーを供給する代わりに、大量の余剰電力を生み出してしまうことが問題になっていた。

これではクリーンなエネルギーを100%有効活用できているとは言えないため、マイニングで発生する熱風を使った新しいビジネスが副生産的に開始された。それは、切られた木材を熱風で乾燥させるというもので、木材加工後に出荷するまでの工程上必ずやらなければならない作業である。

クリプトヴォルトのクェティル・ホーヴ・ペッターセンCEOはコインテレグラフに対し、ノルウェーは「マイニング事業に理想的な場所」であり、2022年上半期には木材や海藻の乾燥事業にも着手すると発言している。

ノルウェーは1970年代にはじまった油田の開発により天然ガスや石油の産出国として非常に豊かになった国であり、
一次エネルギー自給率は680%以上と圧倒的に世界一になっている。

エネルギー資源に乏しい日本人の我々からすれば非常に羨ましい限りであるが、一方で電力が供給過多になってしまうという反面がある。

ペッターセンCEOはこうした、ノルウェーの余剰電力問題に対して、うまくエネルギーを分配する機能が不足していると指摘している。

「このことは、エネルギー価格が非常に安いことを意味する。我々は囚われたエネルギーを無駄にしてしまわず、『救い出す』ことができる」

まだエネルギーの消費量が増えたことにより、送電会社は送電網の使用料金をマイニング事業者から回収できるため、約200万ユーロ(約2億6000万)の節約につながっているという。

近年ノルウェーでは豊富なエネルギー資源やそこから派生した技術を基に他国にも事業を開拓しており、
同国に拠点を置く北欧最大のエネルギー企業のエクイノール(Equinor)は、油田から発生する余剰ガス(フレアガス)を活用したマイニング施設の建設を北米で進めるなど、他国に対して技術提供を進めている。

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